砂の絵

海辺で遊んでいたんだよ

そう僕ら笑っていたんだ

 

子供の頃の記憶は 砂の絵のよう

波にさらわれ 消えてく

子供の頃の記憶は 砂の絵のよう

風に吹かれて 消えてく

 

波間に 光る輝きも

やがて雲におおわれ 消えてく

空が暗くなったんだ

 

深夜に現れる スクリーンの 砂の絵

これもまた やがてはかなくも 消えてく

 

それでも 足掻いたり 藻掻いたりしているよ 

俯瞰しきれない何かが 深夜のスクリーンに映るから

それが夢なのか傷なのかは 分からないけど

 

今夜 彼女は何を見ているんだろう

今夜 僕は砂の絵を見ているよ

それでも 泣いたり 笑ったりしているよ

「る」→「じ」

じじい ジジイ

 

言わずもがな 超高齢社会

仕事柄 介護職の方とのコンタクトがあったり

自分の両親のことを考えたりする

なかなか毒蝮三太夫さんにはなれない

この表記 昨今の放送コード?倫理コードにひっかかるかも

なかなか難しい毎日 ヒジョーニキビシー時代

それでも 鹿子裕文さんの

「へろへろ」「ヨレヨレ」「はみだしルンルン」あたりには

愛とまではいかなくても希望のようなものがありそうです。

笑いもね

 

次は「い」です

春のせい

青い空の光は 眩く

空に浮かぶ 儚くも死んでしまった人達

マスクの下 空の上 

何だかここ1年 寝ていたり 座っていたり

それでも 春の匂いに誘われて 

立ち上がり 部屋を出て 歩き出す

ウメ モモ サクラ ぶつぶつ ひとりごと

アスファルトの上 コンクリートの遊歩道を歩く

アスファルトの下 土の中では 虫やら草やらが

息吹いたり 芽吹いたり 蠢いてる

川に沿って下る途中に 出会った君と 

海に出るまでのお付き合い 同じ時空の共有なんて

なんとなく 春のセンチメンタル

ウメ モモ サクラ ぶつぶつ ふたりごと

春の入り口で 春を待ち 春に立つ 大きな樹の下

マスクの下 空の上 なんとなく 

なんとなく 春のせい

 

 

 

分断

僕は 白い部屋にいる

エタノールの臭いがする

保護されているのか

隔離されているのか

 

モニターには

アニメーションが映し出されている

青い空を 無数の黒い鳥が 覆いつくし

昼が夜になり

黒い鳥の糞尿を 貪る 白いネズミが 埋めつくす

 

僕は 白い部屋にいる

エタノールの臭いがする

徐々に

モニターを観ているのではない気がしてくる

徐々に

モニターに視られられているんじゃないかと

 

僕は 

観ていても 視れれていても

この白い部屋にいる限り

分断されている

 

夜の散歩

夜がゆっくりと深く更け

今日はblue moon

夜の散歩では 

通勤と同じコンビニまでの道が

まるで 別人みたい

コーヒーとタバコを買って帰るだけだけど

同じ道 違う顔

途中で月を見上げる 月が僕を見ている

 

夜がゆっくりと深く更け

今日はblue moon

散歩の途中で 

多摩蘭坂を口ずさむ