冬から春へ

2両編成のローカル列車

16歳の冬の日 駅までの道を歩く

学校に行けなくなり

皆とは違う生き物になって

乗り換えで1時間に2本のローカル列車を待つ

奇異の目にさらされながら 白昼夢

列車はコトコトと僕を運び

車窓は鉛色の空

 

無人駅で降りて 病院まで30分歩く

皆は学校で授業を受けてる

僕は精神分析を受けてる

病院までの道は とても寒く 冷たい風が吹き

とても独りで 長い道

 

2両編成のローカル列車

君と出会って 大人になった僕が 同じ列車に乗って

目的地は 桜と菜の花のコントラスト

列車はカタカタと僕を運び

車窓は拡がる青空

 

うたかた お昼寝

あと少ししたら

今度は蛍を見に行こう 君と

2両編成の列車の思い出と現在地 

季節は冬から春へ